Somatic Education でのワークが特別な訳

 どのようなワークでも、施術者の持ち味や経験に依ってワークの方向性や効果が変わります。『施術者は自分の居るところまでしか、クライアントを連れて来る事が出来ない。』とも言われます。

ボディーワークの三冠王

 では、僕の持ち味や特徴は何かと云うと、それは Somatic Education と分類される 三つの代表的なワークを単に学んだだけでなく、教え、施術して来た経験が、それぞれのワークに対する深い理解と洞察を与えていることです。単に教えられた事をやるだけでなく、より良い影響を確実に与える事を常に意識してワーク出来るのが、強みであり持ち味でもあります。

からだの構造統合法(S.I.: Rolf method of Structural Integration)

 からだの構造統合法(S.I.: Rolf method of Structural Integration) からは、からだの構造の理解と強力な介入の仕方、からだの形は変わる(姿勢や脚の形、筋肉の配置や骨の形まで)事など学びました。

フェルデンクライス メソッド

 フェルデン(Feldenkrais Method)からは、からだの動き機能的な側面からだ全体という事コーディネーション、そして『学び方』など学んでいます。

アレキサンダーテクニーク

 アレキサンダーテクニークからは、自分自身の使い方、注意を向ける事、タッチの質や手の使い方、アクティビティワークの見方やり方など学んで身に付けてきました。

違いからそれぞれをより深く学び、それぞれ補いながらワークしている。

 それぞれの違いから、それぞれをより深く学ぶ事が出来たと思います。
 また、一見非常に違ったもののようにも見えますが、同じ人間を扱うからには、大本では共通しています。それぞれ補い合えるので、より効率よく強力にクライアントをサポート出来るのです。

アクティビィティ (Activity work)を例にとるなら。

 アレクサンダー(Alexander Technique)が得意としている、実際の活動をそのまま取り上げて直接改善して行く、アクティビィティ (Activity work)は、やり方はその人のやり方のままで、余分な緊張を無くして行くと云うアプローチをします。もちろん効率がいいかどうかは差し置いて十分な改善がされます。

 そこに、フェルデン(Feldenkrais Method)の得意なからだ全体のより効率的な使い方を身につけることを含めてやれば、どれほどパフォーマンスが上がることでしょう。それまでに自然に身につけたやり方から、より効果的な効率的なやり方を見いだして身につけられたら、それは、段違いの改善に繋がります。

 そして、前もって からだの構造統合法(S.I.) で、それまでに蓄積されたからだの組織的な歪みを解消して、しかも、からだの仕組みに付いてもより理解を深めておいたら、どれほど効率よく進歩出来ることでしょう。

 同じ「アクティビィティ (Activity work)」も、Somatic Education は、より分かりやすく、効率的、効果的に、進められます。

より効果的に働きかけるには

 より効果的に働きかけようとすれば、構造的な知識と、からだの動きや機能、気づきをいかに高めて行くかが求められます。筋膜や筋肉、骨といった個々のからだの部分を、より良く整えるだけでは足りません。それを全体としてどう使ったらいいのか、それを生活や活動にどうつなげて行くかが大切になります。そこに からだの構造統合法 だけでなくフェルデンクライス メソッドアレキサンダー テクニークで学んで来た事が大いに役立っています。

 それぞれのレッスンなり施術のなかで、別のワークでの知識や経験が生かされて、より合理的で、分かり易く、効果も高くなるのです。

いろいろ取り組んで来た事は、みな役に立っています

自分自身を高める

 自分自身を高める為にいろいろ取り組んで来た事は、皆役に立っているようです。取り立てていえばプロセスワークからは、自分自身と、クライアントと、出来事そのものを信頼する事を学んでいます。アドラー心理学からは、誰の問題かはっきりさせたり、「合目的的」という事が役に立っていると思います。CAPプログラムからは、人権について、そして常に事実を元に判断する事が大切だと学びました。

自分自身のからだの問題の解決

 僕自身子供の頃から腰痛に悩まされて来ました。大学時代には、大好きだった合気道部も腰痛で止めざるを得なくなってしまいました。余りに痛めてしまっていて、完全に治ると云う訳には行かないと思いますが、普通に生活出来て普段腰に違和感を感じることすら無くなる程改善して来ました。

 何年か前には、肩を酷く痛めて(たぶん腱板損傷)腕が肩の高さまで位しか上がらなくなってしまった時も、他から助けも借りたのですが、3年程掛けて鉄棒にぶら下がれる程、少しはブリッジが出来る位まで改善して来ました。

 この過程で痛みや不自由に苦しんだり、不安を覚えたりした事がいい経験になり、同じ様な問題を抱えた人たちに共感しやすくなったと思います。自分自身に対して、試行錯誤しながら、Somatic Education で学んだことを応用して行ったことも大きな学びであり自信とワークに対する確信の元になっています。

クライアントの求めと必要に応じて、以下の様な事をしています。

  • からだの構造を良くふまえて、物理的に合理的な姿勢やからだの使い方を教えます。
  • からだの構造や動きを実際にからだを動かしながら、言葉を交えて理解してもらう。(アレキサンダー テクニークのマッピングのより詳しくてわかり易い版ともいえます。
  • 自分自身のからだや動きに気づく事を大切にして、それを促します。それが、心理面や感情面、社会的な関わりに対する気づきを深める元となります。
  • 正しいやり方や、正しい姿勢など、いったい本当にあるのでしょうか。それに替わる、より有効で害の少ない方法を提供します。
  • 問題や課題があれば、その症状を緩和する事より、そのより根本的な原因をさぐり、解決するように働きかけます。
  • クライアントの日常生活での身体的な癖なども、考察していきます。実はこれがとっても大事です。例えば腰痛の場合、多くのクライアントが、僕の目には腰痛にならない方が不思議なぐらいの、からだの使い方をしています。それに気づくこと、そして問題を引き起こさない様なからだの使い方を学ぶこと、そしてそれを実行しなければ、問題の解決にはならないのは自明の事です。そのお手伝いをします。日常にどのように持ち帰るか、それがワークの効果を最大限に発揮するかどうかに関わります。ワークの間に学んだ事を定着させたり、壊してしまわない為にとても有効です。
  • 感受性を高めて、感覚と気づきを基に、クライアント自身がより良いやり方あり方を選んで行けるように手伝います。からだを通したエンパワメントとなるように心がけています。
  • 実は雑談を大事にしています。そこには宝物が隠れていたりするからです。