Somatic Education とは

 フェルデンクライス メソッド、アレキサンダー テクニーク、Rolf method of Structural Integration(からだの構造統合法)は、一括りに Somatic Education と呼ばれます。
 分ちがたく結びついた「心」と「身体」のことを「心身」とか「からだ」(soma)と呼びます。 Somatic Education とは「からだ」の教育。肉体としての身体に、実際に触って感じられる、今ここにある「からだ」に、まず取り組みます。「からだ」を体験し、そして「からだ」を体験的に学びます。

分ちがたい「心」と「身体」。

 「心」、「身体」と書くと別々のもののように思えますが、実際には分ける事のできない、ひとつの存在と言えます。合わせてひらがなで、時に括弧付きで「からだ」と表記する事が多いです。

 どのように分かち難いか考えてみましょう。例えば『病は気から』と言うように気持ち心が身体に大いなる影響を与えている事はみな知っています。反対に、泣き真似をしていると悲しくなってくるとか、面白くなくても笑っているとおかしく楽しい気分になってくるなど、身体も気持ち心に影響します。背中を丸めて俯き加減の時どんな気分でしょう? 憂鬱な時、胸を張って歩いているでしょうか? 時には、自分自身の姿勢を見て気づかなかった気持ちがわかる事も。

 こんな風にひとつであるために、身体が変化すれば心に大きな影響を与えるのは当然と言えます。また、身体の在りようが心の在りようを表しているという事も肯けるでしょう。Somatic Education の身体からのアプローチは、自分自身というからだと心が一体となった、分ける事の出来ない総体に、大きな影響を与えるのです。

Somatic Education で培っていること。

 からだの問題を解決する、パフォーマンスを上げる、上達する、より美しくなる、老化のプロセスを逆転させる、など、 Somatic Education はからだから始めます。そしてその為に共通して必要なこと、本当の意味で成果を上げる為に共通して取り組んでいる事があります。

 それは、自分自身の感覚をよりどころにして、自分自身で考えて、選んで行動することです。結果をフィードバックして、少しずつ自分自身の感覚を信頼に足るものにしながら、成功体験を積みかせねて、自信とやる気を育てます。そうして、自主性、自律性を育みます。先生の助けも借りながら、自分自身で自分を育てて高めていくのです。

 権威者や他人の言う事を鵜呑みにしていたのでは、自分自身の可能性を十分に拓く事は出来ません。

こんな事も言える

 以上の事から、Somatic Education はメタな部分で、こんな風にも捉えられます。

『一人一人が伸び伸びと力を発揮して、活き活き幸せに暮らす為の礎となる。』

 そして、僕にはとっても大切なことですが、

  • 自分自身の感覚をよりどころにして、自分自身で考えて、選んで行動することに慣れた人は、付和雷同しない。
  • 身体の感受性が高まると、心の感受性も次第に高まり、ひいては人の気持ちにも心が及ぶようになる。
  • 成功体験を積み重ねて、自信のついた人は、自尊感情も高い。
  • 自尊感情の高い人は他者を尊重できる。

という事から、

『いじめや差別のない社会を作る為に欠かせない、根本的な所に貢献している。』

とも言えます。


Somatic Education とは、元々フェルデンクライス メソッド、アレキサンダー テクニーク、Rolf method of Structural Integration(からだの構造統合法)につけられた総称です。